1920年代以降、第二次大戦後に独立を果たすまで約20年間、スターリンが主導したソ連の対モンゴル政策を考察する。特に東隣に「満洲国」が出現した1930年代には、ソ連に対する防波堤の役割を担わせるため、軍事的・動員的な諸政策が実行された。満洲国との国境をめぐる紛争、1939年のノモンハン事件が一つの大きな成果となった。ロシアの史料館に保管されている一次史料を駆使して、丹念に政策決定過程を跡付けた実証的研究である。