本書は、アジア・太平洋戦争直前から戦時中に日本が唱えた「大東亜共栄圏」について、その構想の立案、実行から破綻までの全貌を描いたものである。それは、総力戦に勝ち抜くために東・東南アジアを一体とした、日本が盟主となる経済自給圏の構築を図るものだった。しかし、日本の脆弱な経済力、意思決定機構の分立などから、構想段階から問題を抱え、実施でも輸送力・資材の不足などを来たして、破綻したことを明らかにした。