本書は、筆者が10年間調査をしてきた東北の結婚移住女性たちの生き方を個々のケーススタディを通して検証し、社会人類学的アプローチから分析したものである。特に結婚移住女性たち対する「不可視化」と「他者化」という社会的フレームが、彼女たちの移住生活にどのように影響するのかを考察することで、彼女たちが抱える問題を「彼女らだけの問題」にせず、シティズンシップを付与されない移民問題として取り上げている。