ダーウィンを祖とする進化学は、自然科学に革命を起こすに留まらず、政治・経済・文化・社会・思想に多大な影響をもたらし、さらに彼の後継者たちが優生思想を生み出した。一流の進化学者たちによって権威づけられた優生学は、最終的にナチスの反ユダヤ思想とつながり「ホロコースト」という悲劇を生み出した。この歴史を描くとともに、現代のゲノム科学とリンクした新しい優生学との関係を解説する。