本書は様々な制限や社会問題をはらみつつも活発な展開が続く中国国内の移動にフォーカスを絞った研究論集である。国家の内部であっても国境に限らない様々な境界線が張り巡らされていることに意識を向け、人々が越境するさまをとらえることの重要性を喚起し、そこから翻って、移動そのものを相対化しうる可能性を探る。