「日本人の精神性の根底に流れるものはアニミズムである」「山をご神体として麓から遥拝する形式が最古の神道祭祀である」「日本では死者は遠い浄土に旅立ことなく、神となって故郷を見下ろす山に留まる」―本書では、いま日本に流通するこれらの常識化した言説を根本から見直すとともに、縄文時代から現代に至る長いスパンの中で、この列島において聖なるもの(カミ)が誕生し、変容していく様を辿った。