ウィンドウズ標準のコマンドプロンプト(DOS窓)
を用いたAILISの検索方法
(これであなたもコマンドの達人)

[石渡ページ]

2009/03/02作成,2013/10/07更新


目次

1.検索準備 検索フォルダの作成とAILIS本体のコピー
2.検索準備 コマンドプロンプトを開く
3.検索準備 検索フォルダの指定
4.お試し検索
5.検索結果の画面表示
6.検索結果をファイルに保存
7.ファイルの内容の表示
8.ファイルの削除
9.ファイル名の一覧表示
10.ファイル名の変更
11.オプション検索について
12.AND検索,OR検索について
13.検索結果をABC順に出力する
14.画面に表示された検索結果をコピーする
15.日本語入力のやり方
16.トラブルへの対処とヘルプ
17.コマンドプロンプトの終了
18.もっと便利な検索ソフト



ここでは,すべてのウィンドウズに標準で用意されているコマンドプロンプト(DOS窓)を用いたAILISの検索方法をご紹介しましょう.この方法はAILISだけでなく,テキストファイル形式で提供されているすべてのデータベースに適用できます.

1.検索準備 検索フォルダの作成とAILIS本体のコピー  (もどる)
「スタート」→「マイコンピュータ」→「ローカルディスク(C:)」とクリックし,「新しいフォルダを作成」をクリックして「ailis」と入力し,「ailis」という名前の新しいフォルダを作り,その中にailis.txtをコピーする(またはインターネットエクスプローラの画面に表示したailis.txtをその中に「名前をつけて保存」する).

2.検索準備 コマンドプロンプトを開く 
「スタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「コマンドプロンプト」とクリックし,コマンドプロンプト(DOS窓)を開く.もっと簡単に開きたい場合は,「コマンドプロンプト」のところで右クリックし,「送る」→「デスクトップ(ショートカットを作成)」とクリックするとデスクトップ上にコマンドプロンプトのショートカットが作成され,次回からはこのアイコンをダブルクリックするだけでコマンドプロンプトを起動できる.

3.検索準備 検索フォルダの指定 (注意:コマンドプロンプトではフォルダのことをディレクトリという)  (もどる)
コマンドプロンプト(C:>)の後に,cd ailis と入力しエンター(リターン,改行)キーを押す.cdとailisの間にはスペースを1つ入れること.するとプロンプト表示がc:\ailis>に変わる. なお,1つ上のフォルダに移るには cd.. のようにcdに続いてピリオドを2つ打ち,エンターキーを押す.そのディスクの最も上位のフォルダに移るには cd\ と入力する.なお,コマンドライン上から直接新しいフォルダを作るには mkdir ailis (または md ailis)のようにすると,現在のフォルダ内にailisフォルダが作られる.ただし,同じ名前のファイルやフォルダが既に存在する場合は,そこにその名前のフォルダを新たに作ることはできない.また,そのフォルダを削除したい場合は,rmdir ailis (または rd ailis)のようにすればよい.誤って必要なフォルダを消さないように注意されたい.

4.お試し検索
検索を試してみる.コマンドプロンプトの次に,大文字・小文字の別,スペース,引用符,ピリオドなどに気をつけながら,下の英文コマンドをこの通り入力し,エンターキーを押せばよい.これでKirschvinkほか2003の火星に関する論文が表示されれば成功.
find "AILIS 7654" ailis.txt (または,find "7654" ailis.txt でも結果は同じ)

なお,検索語の引用符を忘れたままエンターキーを押すと,「FIND: パラメータの書式が違います」と表示されて検索は実行されず,次のコマンドプロンプトが表示される.また,検索するファイルのファイル名を入力し忘れると,カーソルが点滅したままプログラムが進まなくなる.こうなった場合,コントロール(CTRL)キーとCキーを同時に押せば,次のコマンドプロンプトが表示され,作業を再開できる.検索するファイル名を間違えた場合は「ファイルがみつかりません」と表示され,次のコマンドプロンプトに移る.

5.検索結果の画面表示  (もどる)
例えば,find "Ishiwatari" ailis.txtと入力すると,結果が多いために画面が流れて最後の部分しか見えない.これを1ページずつ表示するには,下のようにmoreコマンドを利用する.「|」は縦棒の記号で,普通はキーボードの右上付近にある(Shift+\).1ページ目が表示されたところで止まり,エンターキーを押せば次の行が表示される.途中で表示を打ち切りたいときはコントロール(Ctrl)キーとCキーを同時に押す.
find "Ishiwatari" ailis.txt | more

6.検索結果をファイルに保存
検索結果をファイルに保存したい場合は次のようにする.「filename」の部分は適当なファイル名に置き換えてよいが,8文字以内の英数字のファイル名 にして,拡張子".txt"をつけておくのがよい(拡張子なしでも保存はできる).ファイル名にアンダーバー(_)やアッパーバー(~)を混ぜるのは構わないが,スペースやスラッシュ(/)その他の記号を混ぜるといろいろ障害が発生するのでやめた方がよい.ファイル名の大文字と小文字はDOSでは区別されない.日本語及び英和混在のファイル名も可能だが,その場合は全角4文字以内とする(日本語入力については項目15を参照). なお,同じファイル名のファイルが既に存在する場合,警告なしに上書きされる(古い内容は消えて新しい内容に置き換えられる)ので注意されたい.
find "Ishiwatari" ailis.txt > filename.txt

7.ファイルの内容の表示  (もどる)
保存した検索結果ファイルの内容を画面に表示させたい場合は次のようにする.
type filename.txt (結果が1〜2個で1画面に収まる場合)
more filename.txt (結果が多い場合.エンターキーを押せば次が表示される)

8.ファイルの削除
保存した検索結果ファイルを削除するには,ウインドウズのエクスプローラ画面で行ってもよいが,コマンドプロンプト画面でも次のようにすれば1つのファイルを削除できる.
del filename.txt

また,フォルダ内のファイルを全部一度に削除したい場合は del *.* のようにワイルドカード(*)を使えるが,これだとAILIS本体も消えてしまう可能性がある.それを避けるには,例えば,検索結果ファイルを必ず「f」で始まる名前にしておけば,del f*.* で検索結果ファイルだけを全部一度に削除することができる.フォルダの削除については上の3で説明した.

9.ファイル名の一覧表示  (もどる)
検索結果ファイルが多くなってきて,それらのリストを一覧表示させたい時は,dir と入力してエンターキーを押す.dir /w のようにすると1画面に多数のファイルを表示できる.dir /p とすれば1ページごとに表示する.dir /o とすればファイル名のABC順に表示する.これらのオプションは組み合わせて使うこともできる(その場合,dir /o /w のように間に必ずスペースを1つ入れる).また,dir /on(名前ABC順),/os(サイズの大きい順),/oe(拡張子のABC順),/od(日付の順)などのオプションもあり,dir /o-d のようにすれば日付の逆順に(新しいものから古いものへ)表示する.FIND命令と組み合わせて,dir | find /i "txt" のようにすればテキストファイルだけを選んで表示する.MORE, SORT(後述)などの命令と組み合わせることもできる.

10.ファイル名の変更
慣れてきて毎回「ailis.txt」と入力するのが面倒になった場合は,短いファイル名に変更してもよい.エクスプローラ画面でも変更できるが,コマンドプロンプトでは,
rename ailis.txt ai (またはren ailis.txt ai)
のようにすれば,「ai」という名前に変えることができ,find "Ishiwatari" ai で検索できるようになる.

11.オプション検索について  (もどる)
findコマンドにはいくつかのオプションが用意されている.例えば,
find /i "total" ailis.txt
のようにすれば大文字/小文字の違いを無視して検索する.この他のオプションとしては,/n 行番号つきで結果を表示,/c 結果は表示せずに検索されたデータ数だけを表示,/v 指定した文字列を含まないデータを表示,がある.

12.AND検索,OR検索について
ウィンドウズ標準のfind命令ではAND検索やOR検索はできない.しかし,あるキーワードで検索した結果をファイルとして保存しておいて,それを再度別のキーワードで検索すればAND検索をしたのと同じ結果を得ることなる.また,いくつかのキーワードで検索した結果を合体すればOR検索をしたのと同じことになる. いくつかのファイルを合体して1つのファイルにするには,次のように行う.1つ1つファイル名を書くかわりにワイルドカード(*)を使ってもよい.COPY命令の詳しい使用法は help copy と入力すれば表示される.
copy file1.txt + file2.txt + file3.txt allfiles.txt (または copy file*.txt allfiles.txt)

13.検索結果をABC順に出力する  (もどる)
AILISは大体ABC順に配列しているので,出力結果もほぼABC順になるが,データベースの末尾に追加されている新しいデータはABC順になっていない. また,上のOR検索で合体したファイルはABC順になっていない.これらをABC順に並べ替えたい場合は,次のコマンドを使う.

sort < file1.txt > file2.txt

file1.txtのデータがABC順に並び変えられてfile2.txtに出力される.

sort /r <file1.txt > file2.txt

のように/rオプションをつければ逆順(Z→A)に出力される.ただし,sortコマンドはファイルのサイズがあまり大きいと正常に機能しない.AILIS全体を並べ替えることはできないので注意されたい.

find "Ishiwatari" ailis.txt | sort
find "Ishiwatari" ailis.txt | sort | more
find "Ishiwatari" ailis.txt | sort > file3.txt

のようにfindコマンドやmoreコマンドと組み合わせて使用することもできる.

14.画面に表示された検索結果をコピーする
コマンドプロンプトの画面に表示された検索結果をコピーすることができる.コマンドプロンプトの画面の上側の枠を右クリックするとメニューが表示される.その中の「編集」にカーソルを合わせると右側に小さなメニューボックスが開 く.その「範囲指定」をクリックし,コピーしたい範囲の左上にカーソルを合わせ,マウスを左クリックし,左クリックしたまま,コピーしたい範囲の右下までカーソルを移動させて左クリックを放す.コピーしたい範囲の背景色 と字の色が変化しているはず.ここでエンターキーを押す(または上枠右クリック→編集→「コピー」を左クリックする)と,この範囲がコピーされ,選択範囲の色はもとに戻る.コピー先のワープロや表計算,メール,エディタなどの貼り付けたい部分にカーソルを置いて右クリックし,「貼り付け」を左クリック する.すると,今コピーしたコマンドプロンプト画面の文章がそこに貼り付けられる.ただし,80字ごとに単語の途中で改行されていたりするので,上手に整形する必要があるかもしれ ない.

15.日本語入力のやり方  (もどる)
AILISでは日本語文献の場合に英語・日本語が併記してあるので,日本語で検索することもできる.コマンドプロンプトを起動した状態では半角英数字しか入力できないが,Altキーと漢字キーを同時に押すと,右下に「全あローマ字」と表示されてローマ字入力のやり方で日本語が入力できるようになる.変換候補を探すにはスペースキー,確定するにはエンターキーを 押す.無変換キー(スペースキーの左側)を押すと全角ひらがなと半角英数字を切り替えることができる.全角ひらがなの状態でShiftキーと無変換キーを同時に押すと,全角英数字が入力できるようになる.全角ひらがな入力ができる状態でShitキーとカタカナキーを同時に押すと全角カタカナが入力できる.半角英数字が入力できる状態でShiftキーとカタカナキーを同時に押すと半角カタカナが入力できる.変換キー(スペースキーの右側)を押すと英数字をそのまま入力できる状態になり,もう一度変換キーを押すと日本語ローマ字入力ができるようになる.日本語入力モードから完全に英数モードに戻るには漢字キーを押せばよい.検索例としては,find "根上隕石" ailis.txtを試してみるとよい.根上は「ねあがり」と読む.引用符は全角でなく,必ず半角にする必要がある.

16.トラブルへの対処とヘルプ
検索するファイル名を書き忘れてfind命令を実行した時などで,プログラムが先へ進まなくなった時は,コントロール(CTRL)キーとCキーを同時に押せば,プログラムを強制的に終了することができる. なお,コマンドプロンプトで使用できるコマンド(命令)の一覧と簡単な説明を見るには help | more と入力する.個々の命令についての説明を見るには,例えば help find のように入力する.

17.コマンドプロンプトの終了  (もどる)
コマンドプロンプト画面を修了するには,右上の赤い×印を左クリックするか,exitと入力してエンターキーを押す.

18.もっと便利な検索ソフト
FINDコマンドは検索がやや遅く,「正規表現」が使えず,AND検索やOR検索ができないなど不便な点があるが,コンピュータの動作が非常に高速になった現在,これだけでも十分実用になる.AND/OR検索ができる高速なDOSベースのフリーソフトとしてはWGREPがある.これは,昔のVZエディタに付属していたほか,現在でも例えば「CD-ROMによる医科学フリーソフト」(克誠堂出版)などに収められている.ウィンドウズ版の検索用フリーソフトとしては,QGREPやJGREPがあり,インターネット上で入手できる.市販のWZエディタ(2009年現在Ver. 6)にはGREP機能が付属しており,高速で便利であるが,パッケージ版は定価10,290円,ダウンロード版は定価7,140円と,かなりの出費が必要である(http://www.wzsoft.jp/wz6/).なお,古いバージョンのWZエディタを持っていれば,アップグレード版を安価で購入することができる.

参考文献

石渡 明 1994: オフィオライト文献データベースAILISの公開。 地質学雑誌、100, 189.

以上

石渡 明


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