東北大学Center for Northeast AsianStudies東北大学 東北アジア研究センター 言語マップ
東北アジア研究センターについて
センター概要
評価報告書
要覧
データ
スタッフ 研究活動 教育 出版物 学術交流 図書室 関連サイト
センター概要

  ● センター長挨拶
  ● 理念
  ● 目的
  ● 沿革


ber


センター長挨拶

東北アジア研究センター長 佐藤源之  語感としての「地域研究」は柔らかですが、伝統的な学問領域としての「地域研究(Area Studies)からは政治や国家の臭いの漂うことがあります。東北アジア研究センターの「地域研究」への取り組みは、東北アジア地域にとっての「地域研究」とはどうあるべきかを我々が定義していくことでもあると考えています。

 夏は湿地、冬は深い雪と氷に覆われるタイガとアラス、雨の降らない夏、雪で草が覆われる冬を耐えるゴビのような場所でなぜ人々は家畜を追う営みを続けるのか。他方、海の深い恵みに依存してきた漁村を一瞬で消し去る津波、豊富な森林で支えられてきた山村を流してしまう土砂災害。そしてこれらを引き起こす台風や地震。東北アジアの地域に広がる美しい自然は、そこに棲む人や旅する人に微笑んでいるかと思った次の瞬間思いもかけない牙をむきます。

 どうして人間がこうも厳しい自然と対峙しなければならないのか。人間がどのような智恵を働かせ生きてきたのか。そしてそもそも、この人達はなぜ、そこで暮らさなければいけないのか。東北アジア地域は世界中の他の地域との対比において、自然環境と人間社会の関係の幅の広さと、対立関係に特徴があるとも捉えられます。

 東北アジア研究センターの研究者は、こうした問題を発見するために街や村や草原や森を訪れ、そこに暮らす人たちと触れ合いながらその答えを捜し求め、東北アジアが私達にとって、より暮らしやすい場所となることを願いながら活動を続けています。

東北アジア研究センター長 佐藤 源之



理念

 東北アジア研究センターは、東アジアと北アジアの地域を対象とする研究機関として1996年に東北大学に創設されました。東アジアとは中国、朝鮮ならびに日本のことであり、北アジアとはモンゴルとロシアのシベリア地域のことを指しています。
 本センター設置の目的は、東北アジア地域の文化・社会・経済・資源・環境等の問題について、歴史的・現代的視点から分析し、また自然科学と人文社会科学の手法を駆使して文理が連携する研究を推進していくことにあります。さらに、その研究成果を積極的に社会に還元することを通して、これらの地域の国や人々の相互理解と問題解決に寄与し、地球社会の平和形成に貢献することをめざしています。


目的

(1)地域研究のための新しい方法論の開発
 人文社会科学をベースとした従来の地域研究は、ややもすればその研究対象の固有性の理解を求めるあまり、それが自己目的化する傾向がありました。他方、理工系では汎用性を目指す研究が多く見られます。本センターは、前者の地域のコンテキストを重視する視点を保持しつつ、後者の先端的理論や技術を特定地域でしか行えないような研究や具体的な地域の問題へ応用すること、更に両者の連携もめざします。そしてこのような新たな手法を通じ、従来の視点からは発想できなかった斬新な研究を生み出そうとしています。そして、新しい東北アジア研究への視点を持つ次世代研究者を養成することも本センターの重要な使命です。

(2)地域の実態把握と学問的解明
 「東北アジア」という概念は、必ずしも「ヨーロッパ」や「東南アジア」などと比べると一般化した概念ではありません。一方、自然環境の厳しさに起因する社会との深いつながりのように、他の地域には見られない特色も見いだせます。本センターでは、それを日本列島を含むその近隣諸地域の総体ととらえ、従来は政治や言語の障壁から個別の国家単位で集積されがちであった同地域についての学術研究を、総合的に展開しようとしています。そうした障壁を乗り越えて研究者や学術情報が自由に行き来する状況を作り出すことは容易ではありませんが、この東北アジアにおいてそれを率先して成し遂げることは、我が国の使命であるとも考えています。

(3)情報や研究手法の蓄積と研究成果の社会還元
 本センターでは東北アジア地域に特化した貴重資料、現地でしか入手できない資料、情報またデータや雑誌、新聞などの収集ならびにセンターにおける研究成果を中心に情報の集積を行います。これらはホームページ、データベース、図書館機能など通じて外部からのアクセスを準備します。更にセンター研究者が独自に持つ研究手法、解析・分析技術や研究装置などはより広く地域研究者が利用できるよう公開することで新しい研究の展開へと繋がる可能性を秘めています。こうした外部研究者への情報発信と共同利用機能を通じて東北アジア地域研究の拠点としての役割を果たしていきます。それと同時に、研究成果や情報を積極的に社会還元することで、東北アジア地域の相互交流の推進と政策立案のための学問的基盤の提供による社会貢献をめざしています。


沿革

 20世紀末の急激な冷戦構造の解体、経済・情報のグローバル化を背景として、シベリアや中国・朝鮮半島など日本に隣接する地域との相互理解と協力、共生することの重要性が広く一般に認識されるようになった。東北大学はシベリアの資源・科学技術等の重要性に着目し、1991年以来全6回のシベリア訪問団を組織し、1992年にはロシア(当時、ソ連)科学アカデミー・シベリア支部との間で大学間学術交流協定を締結した。
 1996年5月東北大学は、冷戦構造の崩壊以降の日本が隣接する広域世界のダイナミズムを理解することの重要性に鑑み、大学付属の学内教育研究共同施設として東北アジア研究センターを発足させた。北アジア・東アジア・日本を包摂する東北アジアという新たな地域概念を提示し、その歴史−文化・民族−国家・生態−環境に関わる諸問題を人文社会科学と自然科学との連携によって融合的、総合的に研究を推進するのが設置目的であった。
 東北アジア研究センターは、東北大学初の文系を主とする研究所型組織(部局)である。その組織構成は、1962年以来の文学部附属日本文化研究施設を母体として、文学部・理学部・工学部・言語文化部との協力の下に整備された。発足当初、所属する教員は東北大学内の3つのキャンパスに分散していたが、1999年以降、全研究施設が川内キャンパス内におかれている。 発足時の組織機構は、3基幹研究部門(地域交流、地域形成、地域環境)、2客員研究部門(文化・社会経済政策、資源・環境評価)、教官26名・客員5名(うち2人が外国人)で構成された。その特徴は、部門内に文理双方の分野を含む研究体制にあった。2004年4月の国立大学の法人化を経て、2007年4月には研究体制の抜本的な改革を行い、基礎研究部門(教員が所属する9研究分野)、プロジェクト研究部門(現在、9研究ユニット)、研究支援部門(2分野、1室)という体制となった。更に2009年4月にコラボレーション・オフィスを開設し、研究企画、情報発信機能の充実と共に人文社会系他部局との連携を推進する体制を整えた。これにより、個人ベースの基礎的研究を着実にすすめつつ、多くの研究者による総合的課題や、実践的・応用的な研究課題にも即時的かつ柔軟に対応できる体制とした。
 本センターは、東北アジアを対象とする地域研究機関として、外国人研究員(客員教授)制度や学術交流協定などを通して関係各国・地域の研究者との交流を広く進めている。1998年5月には東北大学初の海外事務所として、シベリア最大の都市ノボシビルスクに隣接する研究学園都市アカデムゴロドクにシベリア連絡事務所を開設した。その後、共同ラボラトリーと名称を変更し、ロシア科学アカデミー・シベリア支部との共同研究推進を目指すと共に、東北大学が同所に設置した東北大学ロシア代表事務所・シベリア支部との連携をとりながら、我が国の大学とロシアとの交流にも協力体制を築いてきた。
 流動組織としてのプロジェクト研究部門に加え「共同研究」制度を設け、複数の教員からなる目的を絞り込んだ研究組織の立上げを奨励するとともに、時代に即した学問領域を広げるため、学内にとどまらず国内外の関係する研究者とのネットワーク構築を支援する各種制度を発足させている。研究活動の成果は、1997年に創刊された査読雑誌「東北アジア研究」をはじめとしてその他の学術雑誌・学術書籍で発表されている。それ以外に、1998年以降は「Northeast Asian Studies Series」、2001年以降には「東北アジア研究センター叢書」「東北アジア研究シリーズ」などの本センター独自の出版物も用意し、研究成果の情報発信を促している。更に東北大学出版会と協力しながら「東北アジア読本」としてセンターでの研究活動をシリーズとして出版することで、一般市民の方により見ていただきやすい仕組みを作ることとした。
 大型資金プロジェクトとしては、文部科学省科学研究費補助金・特定領域研究として「東アジア出版文化の研究」(2000〜2005年度)及び「火山爆発にともなう地表現象に対する新研究手法の開発と適用」(2002〜2006年度)、同特別推進研究「清朝宮廷演劇文化の研究」(2008〜2012年度)、さらに科学技術振興機構・戦略的創造研究推進事業「地雷探知用ウエアラブル・SAR-GPRの開発」(2002〜2006年度)などを実施してきた。
 これらの研究成果は、学術面のみならず社会貢献にも関わっている。電磁波研究を基礎としたモンゴルのウランバートルの地下水計測や紛争地域で必要な人道的地雷探査技術の開発、国内外の火山噴火に対する観測・研究などは国際貢献の一例である。また出版文化研究を通じての東アジアでの資料保存事業を実施してきた。
 一方、地域の人間と社会を災害から守るための実践的防災学推進をめざして本センターを中核に、東北大学の広い研究分野の研究者が目的を一つとする「防災科学研究拠点グループ」を結成した。従来型の理系的な防災技術に留まらず、住民に対する防災意識の啓蒙や災害時の資料保全への対応など文系的なアプローチを含めた幅広い地域活動を展開することに特色を持っている。2011年3月の東日本大震災では、本グループが東北大学の叡智を結集し地域の復旧・復興への具体的な活動を行うだけでなく、これまで蓄積してきた災害科学を東北大学の重要な研究の柱の一つとするための最大限の努力を続けている。これらはセンターの幅広い研究活動成果の社会還元ととらえている。
 さらに2004年に発足した地域研究を推進する大学・研究機関・NGO等の全国組織体「地域研究コンソーシアム」設立に関わるとともに、2005年には「北東アジア研究交流ネットワーク」(当該地域に関わる研究機関・各種シンクタンクなどの交流組織)の設立にも貢献した。これらを通して他大学・研究教育機関、さらに民間組織などとの連携を進めている。


このページのTOPへこのページのTOPへ
ニューズレター
アクセス
お問い合わせ
サイトマップ
TOPへ戻る
side_ber
 東北大学
 東北アジア研究センター

 〒980-8576
 宮城県仙台市青葉区川内41番地
 TEL(022)795-6009, 3707
 FAX(022)795-6010
 http://www.cneas.tohoku.ac.jp

Copyright 2007 Center for Northeast Asian Studies. All Right Reserved. bg
英語ページへ 中国語版