指定国立大学災害科学世界トップレベル研究拠点

東北大学東北アジア研究センター
災害人文学ユニット

Core Research Cluster of Disaster Science

Center for Northeast Asian Studies Disaster Humanities Unit

お知らせ

2019.04.10
5/17開催|2019年度第1回災害人文学研究会|2013年放送・NHK特集ドラマ『ラジオ』を観る〜実話からドラマへ:ドキュメンタリーの表現、フィクションの伝達〜

2019年度第1回災害人文学研究会

2013年放送・NHK特集ドラマ『ラジオ』を観る

〜実話からドラマへ:ドキュメンタリーの表現、フィクションの伝達〜

 

 

東日本大震災では発生直後より多くの映像記録が残されてきました。被災状況や体験者の証言、被災地域の伝統行事や民俗芸能の記録などドキュメンタリー映画として作品化・上映されたものだけでも数百タイトルを数えます。東北大学東北アジア研究センター災害人文学ユニットでは、東日本大震災にまつわるドキュメンタリー映画の上映・鑑賞と、映画監督ら制作者や研究者を交えた意見交換を通して、地域文化と地域社会の存続に関して映像記録の担う役割と可能性を考えます。

今回の上映作品『ラジオ』は、宮城県女川町で2011年4月~2016年3月まで開局した臨時災害放送局「女川さいがいFM」(現在は「一般社団法人オナガワエフエム」として活動)での実話と同局で活動した高校生アナウンサーのブログを元に、脚本家・一色伸幸が脚本をまとめました。ドラマ制作はテレビマンユニオンが担当、撮影は女川町内各所でおこなわれました。

本作の上映とともに、本作の演出を担当した岸善幸氏、仙台短篇映画祭実行委員の菅原睦子氏、山形国際ドキュメンタリー映画祭理事兼プロジェクトマネージャーの高橋卓也氏を迎え、東日本大震災後の映像・映画の動き、ドキュメンタリーとフィクションの関係と融合からうまれる表現の可能性について、意見を交わします。

 

〈開催概要〉

【日時】2019年5月17日(金)18:30~20:55

【会場】せんだいメディアテーク 7階・スタジオシアター

【プログラム】

  • 18:20 開場
  • 18:30 開会
  • 18:35~20:05 『ラジオ』上映(89分)
  • 20:10~20:55 意見交換

【登壇者】

岸善幸氏(『ラジオ』演出)

菅原睦子氏(仙台短篇映画祭実行委員)

高橋卓也氏(山形国際ドキュメンタリー映画祭理事兼プロジェクトマネージャー)

【参加費】無料

【参加申込】不要

【問い合わせ先】saigaijinbungaku@gmail.com

【主催】東北大学東北アジア研究センター

【共催】指定国立大学災害科学世界トップレベル研究拠点

災害人文学ユニット

 

〈上映作品について〉

『ラジオ』

2013年放送(NHK総合テレビジョン)

制作:NHKエンタープライズ、制作・著作:NHK、テレビマンユニオン

HP

【あらすじ】

震災から10ヶ月。仮設住宅に引きこもる女子高生「某ちゃん」(演・刈谷友衣子)を心配した兄貴分の蒲鉾店四代目・國枝(演・吉田栄作)は、半ば強制的に女川さいがいFMに参加させる。しかし、ほとんど何もしゃべれない、何も伝えられない…。落ち込む彼女に、父親(演・豊原功補)が、「話すのが苦手ならば文字で表現したらいい…」とブログを勧める。彼女は、自分自身の心情を少しずつ綴り始めて行く。

そんな某ちゃんが放送で流したロックミュージックを、ネット配信で耳にしたのは、東京で働く飛松(演・リリー・フランキー)。なぜか心惹かれ…某ちゃんとのメールのやりとりが始まる。さいがいFMの仲間たちにも支えられ、某ちゃんは次第に元気を取り戻し、未来に希望を持ち始めていく。

そんな時、瓦礫の受け入れについて書いた某ちゃんのブログが突然炎上する!普段は10人程だった閲覧者が、100万人を超えた!いったい何が起こったのか?…窮地に立たされる某ちゃん…そして仲間たち…

被災地女川で「ブログ」と「ラジオ」を経験し、自分自身を取り戻していく女子高生と仲間たちの物語は、震災を描くドラマではない。「心」の復興を描くドラマである。

【原作】某ちゃん。脚本:一色伸幸

【主な出演者】刈谷友衣子、豊原功補、西田尚美、リリー・フランキー、吉田栄作、安藤サクラ、山本浩司、藤原薫、夏居瑠奈

 

〈意見交換・登壇者〉

岸善幸(きし・よしゆき)

1986年、テレビマンユニオンに参加以降、数々のドキュメンタリー番組を手がける。演出の他プロデュースでも、多くの優れた映像作品を生み出す。綿密な取材に基づいた構成、演出には定評があり、各局から指名を受ける数少ないディレクターである。NHK「少女たちの日記帳ヒロシマ昭和20年4月6日~8月6日」は放送後に多くの反響を呼び、サンダンス映画祭ではノミネートこそ逃すものの国内外の選考委員に高く評価された。2012年元旦から放送されたNHK大型ドキュメンタリードラマ「開拓者たち」(全4話)や東日本大震災被災地でロケを敢行した「ラジオ」など、ドキュメンタリーで培った独自の演出方法は、俳優陣からも絶大な信頼を得ている。

 

菅原睦子(すがわら・むつこ)

仙台短篇映画祭の前身である<仙台ムービーアクトプロジェクト>(1996年~)の立ち上げから現在に至るまで、映画祭の制作や広報、プログラム・コーディネーターとして活動。2011年の東日本大震災の際には、仙台短篇映画祭映画制作プロジェクト『311明日』の制作スタッフの一人として携わった。一方、2013年より「幕の人」という名目で上映企画を行いながら、イラストや絵画作品の発表も継続して行っている。

 

高橋卓也(たかはし・たくや)

フォーラム運営委員会と山形県映画センターで映画配給や上映に携わりながら、多様な映像文化を生かした地域づくりを目指す。「『わらびのこう』製作と上映を支援する会」事務局長、「よみがえりのレシピ」(2011年/ 監督:渡辺智史)、「無音の叫び声」(2016年/ 監督:原村政樹)、「世界一と言われた映画館」(2017年/ 監督:佐藤広一)ではプロデューサーなどを務める。

 

 

*画像をクリックすると、本研究会のチラシをPDFにてダウンロードいただけます。

 

 

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