第11回 極寒地で暮らす方法とは? 北極圏トナカイ遊牧民の知恵と技術から学ぶこと
開催日:2011年7月15日(金)18:00~19:45
会 場:せんだいメディアテーク1Fオープンスクエア

近代テクノロジーなしに、零下50度を超える極地において人類は生存適応してきました。シベリア先住民の伝統的生活民具をつかって、その暖を体験してみましょう。またトナカイとともに移動するという暮らしの仕組みを学んでみましょう。

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高倉先生は、シベリアは雨が少なく、気温も低いのに木が育つ理由に、カラマツは-70℃まで耐寒性があり、落葉するため保温効果があることを紹介されました。また、シベリア先住民の他にフィン系、トルコ系など多様な民族、言語集団が暮らしていること、寒さに耐えるために大量の肉を食べること、トナカイは野生種と家畜種をそれぞれ衣、食、乗用として利用し、毛皮は季節と部位により、利用方法を工夫していることなど、様々なお話がありました。
その後、来場者の方は、実物の毛皮のブーツ、手袋、コートなどを手に取り、フィールドノートや資料を元に、人類学者になったつもりで資料をまとめました。
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高倉 浩樹(たかくら ひろき) 東北大学東北アジア研究センター 准教授
福島県いわき市出身。東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了(社会人類学専攻)。東京都立大学人文学部助手、国立民族学博物館客員准教授、ケンブリッジ大学スコット極地研究所客員研究員などをへて現在に至る。主な研究課題は、人類の北方適応においてについての歴史・生態人類学的研究と環北太平洋地域のエスノヒストリー。最近は、シベリア・レナ川中流域地域の洪水と温暖化についての人類学的研究を行っている。