第12回 認知科学としての仏教
開催日:2011年9月2日(金)18:00~19:45
会 場:せんだいメディアテーク1Fオープンスクエア

仏教には色々なカタチがあり、また色々な迷信がこびりついています。量子論、知覚心理学、脳科学、(臨済)禅、パーリ語教典などから引用しながら、歴史的人物としてのブッダが説いた教えが、どれ程に認知科学的なものかを易しく説明します。

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科学と仏教、一見、まったく異なる世界に思えますが、宮本先生からは、仏教は、認知科学的な要素を前提にした教えであるとお話がありました。
この世に絶対的に存在するものはなく、見る人の立場に即してモノは存在するものである。まるで丸い金魚鉢の金魚のように、私たちも大きな金魚鉢の中にいて、巨大なレンズを通して歪んだ世界しか見えていないのではないか。
また、お話を進める中では何度か、人差指の実験もしました。右手の人差指で左手の人差指を何度か触れながら、眼を閉じたり開いたりしていると、初めは指に触れていると感じていたのが、「暖かさ」や「柔らかさ」といった感覚に変わることがないだろうか、という実験でした。
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宮本 正夫(みやもと ただお) 東北大学大学院国際文化研究科 教授
1948年大阪府堺市生まれ。
最終学歴:Ph.D.(カナダ:ビクトリア大学言語学部)、専攻:心理言語学。
 私は心理言語学者です。私が興味を持つ色々のテーマの一つは、言葉が脳の中でどの様に処理されるかです。言語学は、全て(学士、修士、博士)、カナダで学びました。しかし、カナダで二十五年間学びまた教える前は、タイ国とスリランカで八年間仏教僧として出家生活をおくっていました。今年で定年退職ですが、退職後は直ぐにタイ国・スリランカに戻り、仏教の勉強に専念する事にしています。