近代日本においては、近代化の過程で中央集権化とともに合理化が進められたが、そのなかで〈怪異〉は非合理な他者の一つとして排除された。だが〈怪異〉は近代社会と緊張関係をはらみながら様々に表象され、ナショナリズムにときに対抗し、ときに加担してきた。この両者の関係について、「戦争」「政治」「モダニズム」という3つの視点のもと、文学研究・歴史学・思想史・メディア史・宗教学などから領域横断的に論じる。