私たちは、排泄物(屎尿)を処理される「モノ」と認識している。しかし、江戸時代の日本では高い商品価値を持ち、農作物を育てる重要な肥料になっていた。本書では、当時の大坂で活発だった屎尿の取引を明らかにしつつ、村落と都市は深い関係を結び、社会環境も整備された経緯を考察する。経済・行政・社会、そして環境と多方面につながる問題として御覧いただければ幸いである。