巨大な墳墓が造営される古代。死者が匿名化していく中世。戒名を刻んだ墓碑が建立され、墓参りの風習の定着する近世。「家」の墓が生まれる近代―日本列島で営まれた葬送儀礼は、時代によって幾度も劇的な変化を遂げてきた。各地に残る生と死の交錯するスポットを歩きながら、墓制の変容の実態と、その背後にある死生観の変動を考える。