本書は萩藩毛利家が幕藩体制下の一大名としてどのように「家」を存続させたのかという視点から、同家の動向を通時的に検討したものである。関ケ原の戦いで敗北した同家が江戸時代を通じて「家」の存続をめぐる多くの危機に直面しながらも、有力者からの庇護や女性たちの活躍など様々な手段を用いて立ち向かったことを明らかにすることで、目まぐるしく変化する時代状況に合わせて生き抜こうとする大名家の姿を描くことを試みた。