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◆教員紹介◆

教授 高倉 浩樹
(Takakura Hiroki、博士(社会人類学)、東北アジア研究センター) 川北合同研究棟410号室

  • 研究テーマ
    北極圏の気候変動に関する学際的研究
    人と自然関係論を軸とした環境人類学
    東日本大震災に関わる災害研究・防災人類学

  • 学生へのひとこと
    1980年代から大きな影響を与えたポストモダン人類学は一つの研究史になりつつあります。そこから学ぶことはたくさんありますが、大きく言えば二つあります。一つは、民族誌記述における歴史性の重要性です。植民地主義含めて伝統というものを無批判に扱うことはできず、歴史的な視座をもつと言うことが出発点です。また内省もまた重要な方法論となるということです。参与観察に基づくフィールドワークは、調査者と被調査者の間の相互関係を調査証拠として提示するという作法を含んでいます。この有力な方法が、内省であり、内省をすることによって研究者の立場性をしめしつつ文化的他者性を探求することができるのです。逆にいえば、そのような研究史の知見を踏まえて、あえて歴史性を操作的に無化させる、あるいは客観性を強調するアプローチも存在するということです。どのようなアプローチをとるかは課題の種類に関わってきます。それゆえにこそ、人類学研究史や著名な理論的著作を読みつつ、様々にある人類学の多様な手法を身につける必要があります。私は、近年、環境人類学や災害研究をおこなっていますが、そこでは人類史という長期的な時間軸や進化論・生態概念が重要です。また社会貢献という観点から人類学の知見の様式を再考することも行っています。新しい人類学を切り開くのは、我々のそしてこれから人類学を学ぶみなさんの「問い」そのものにあります。自分の問題意識を大切にしつつ、どのようにアプローチし何が明らかにできるのか、人類学には多くの手がかりがあると思います。
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