災害の記録と記憶をめぐる問題群という視座と、社会的多様性と災害という観点から、東日本大震災を捉えなおした論文集。東北大学の人類学・宗教学を中心とした共同研究の成果であり、震災を契機に日本で働き始めた外国人研究者の論考を数多く所収している点に特徴がある。慰霊祭をめぐる社会過程と行政の関係、ジェンダー視点からの地域復興などの知見は、防災政策提言としても重要である。