

地質遺産の持続可能な保全のための学際研究:新しい国際ネットワーク戦略と新展開

本研究は理系分野の研究者が中心となって、地質・考古遺産の保全と継承に関しての超学際・国際共同研究を発展させるものである。近年、地質学的・考古学的に重要かつ学術性の高い地域を自然遺産やジオトープとして保護し、専門的な研究だけでなく、地域の自然史の総合的な理解とそれを通じた科学教育、さらには観光資源の開発など多角的な事業が国内外で展開されている。さまざまな規模の組織で自然遺産としての価値の評価や推薦、認定などが行われているように、「自然・文化遺産の保全と継承」は社会からの期待が寄せられている学際研究領域である。本共同研究では、蛇紋岩・翡翠・石斧の3つをキーワードとし、国内外の保全対象候補地の地質試料及び考古試料に関して、デンマークで既に実施されている非破壊に近い超微少量の先端型化学分析と多変量解析を試み、総合的な物質試料アーカイブの標準化プロトコルを模索する。本企画に先立って本研究組織のソレンセン・辻森らは、「翡翠」に関する学際研究組織の国際ネットワーク形成に向けたプロポーザルを起案し、デンマーク文部省国際ネットワークプログラムに採択された。そのプログラムでは学際研究に関する国際ワークショップをアテネと仙台でそれぞれ2019年と20年に開催する。本研究は「東北アジアにおける地質連続性と「石」文化共通性に関する学際研究ユニット(代表:辻森)」に関連するだけでなく、仙台で2020年に開催する国際ワークショップにおいて、そのオーガナイザー(辻森)らが中心となった国際的・学際共同研究を国際的に発信・提案するものである。

2019年度~2019年度

氏名 | 所属 |
辻森 樹 | 東北アジア研究センター |
佐野 勝宏 | 東北アジア研究センター |
掛札 真由 | 東北大学理学研究科 |
パストルガラン ダニエル | 東北大学学際科学フロンティア研究所 |
板谷 徹丸 | NPO地球年代学ネットワーク |
ソレンセン ラシ | デンマーク国立博物館 |
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