東北大学東北アジア研究センター
創設25周年
記念公開講演会・国際シンポジウム
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東北大学東北アジア研究センター_創設25周年記念講演会・国際シンポジウム

トナカイ

セッション情報

総合セッション: 東北アジア地域研究の今

6月26日(土) 16:30-18:00
発表言語:日本語
冷戦終了後の30年は、東北アジアの姿を大きく変えた。域内の政治的・経済的関係はますます密接なものとなる一方で、さまざまな課題も浮上している。このような状況の中で、東北アジア研究の必要はますます高まっている。本セッションでは、この間東北アジア地域研究に関わってきた組織、研究者を招いて、我が国における東北アジア研究の現状を総括するとともに、地域が直面している研究課題について議論する。
発表者
松野周治(北東アジア学会)
「東北アジア研究と地域化(地域形成)」
 
岸上伸啓(人間文化研究機構・国立民族学博物館)
「人間文化研究機構における地域研究の展開―北東アジア地域研究を中心に」
 
田畑伸一郎(北海道大学)
「スラブ・ユーラシアと東北アジア」
 
高倉浩樹 (東北大学)
「シベリア人類学からの気候変動研究アプローチ」
 
セッション群A: 環境から浮かび上がる地域
6月26日(土) 10:00-12:00
発表言語:英語

A1:「ジオロジカルサイエンスの国際ネットワーク:展望、そして」

2015年後半以降、CNEAS基礎研究部門地球化学研究分野(理学研究科での連携講座名:地殻化学講座)では、プレート収束縁の固体地球プロセスに関する理解をこれまで以上に深めるため、国際共同研究の強化に積極的に取り組んできました。過去5年間に、複数の外国人研究者が客員教員として滞在し、重要な研究プロジェクトに参加してきました。彼らはCNEASの学生・教員と交流することで国際的な経験とネットワークを広げてきました。これまでに国際会議で特別セッションを共同開催し、国際学術誌に成果を論文として公表してきました。それらの成果は東北大学だけでなく、世界の学術コミュニティにも大きな影響を与えています。このオンラインセッションではCNEAS設立25周年を記念し、我々が推し進めるプロジェクトにこれまで深く関わってきた3人の先生方をお招きしました。私たちの国際ネットワークに、より多くの人々を招待する機会を提供し、我々の国際的な科学交流と国際的な友好関係をこれまで以上に深めることを意図しています。
座 長
辻森 樹 (東北大学)
発表者
フローレス ケネット (ノースカロライナ大学チャペルヒル校 )
「グアテマラ縫合帯を解く:世界第一級のナチュラルラボラトリーとして」
 
サフォノバ インナ (ノボシビルスク国立大学)
「太平洋型プレート収束境界におけるテクトニックエロージョン」
 
ボニフェイス ネルソン (ダルエスサラーム大学)
「タンザニアにおける先カンブリア代超大陸の離合集散関する新しいテクトニックモデル」
 

セッション群A: 環境から浮かび上がる地域

6月26日(土) 12:30-14:30
発表言語:英語

A2:「人類の進化と人類が進化させてきた文化の歴史」

ヒトはどう進化してきたのか、という問いは、人類にとって最も重要な問いの1つである。人類の進化を知る上で、遺伝子(ゲノム)情報を解析することは有効である。近年の現代人及び古代人のDNA解析は、人類の進化過程について多くのことを明らかにしてきた。また、人類の進化を知る上で、人類が発展させてきた文化を調べることも重要である。人類は、専門的な道具や狩猟技術など、様々な現代人的な行動を進化させてきた。また、人類は動物さえも進化させ、家畜化してきた。人類が進歩させてきた文化の歴史は、人類の進化過程を反映している。そこで、本セッションでは、人類の遺伝学的進化、人類が発達させてきた道具や行動、動物の家畜化について講演していただき議論を深める。
座 長
千葉 聡 (東北大学)
発表者
佐野勝宏(東北大学)
「ネアンデルタールに対する現生人類の生存競争における優位性」
 
藤田祐樹(国立科学博物館)
「島嶼環境における旧石器人の文化と生活」
 
河田雅圭(東北大学)
「社会-文化的環境変動に対するヒトの進化的変化」
 
菊水健史・永澤美保(麻布大学)
「アジア犬の家畜化に見る遺伝―文化の相互作用」
 

セッション群B: 環境と文化保全

6月27日(日) 10:00-12:00
発表言語:日本語

B1:「近世日本における知識人と社会思想」

本セッションでは、日本における「社会思想」を、近代以降に海外から導入されたものという通説ではなく、日本社会に存在する個人・集団が、それぞれの利害において互いに合意・対立しながら形成されたものととらえ、その実態を歴史資料にもとづいて具体的に検討することで、日本の社会思想の形成の特質を考えたい。そのさい、個人・集団の存立のあり方や「知識人」の役割に注目し、江戸時代後期を主な対象時期として議論を進めたい。
司 会
伴野文亮 (東北大学)
発表者
野本禎司 (東北大学)
趣旨説明
 
ミヒャエル・キンスキー(フランクフルト大学)
「江戸時代の学者ネットワーク: 海保青陵(1755-1817)の場合」
 
ワシーリー・シェプキン(ロシア科学アカデミー東洋古典籍研究所)
「近世日本知識人にあるピョートル大帝像とその社会思想への影響」
 
高野信治(九州大学)
「近世における〈障害〉認識と社会観」
 
藤方博之(東北大学)
「近世武家社会における養子制度の理念と運用」
 
セッション群B: 環境と文化保全
6月27日(日)  13:00-15:00
発表言語:日本語・英語

B2: 「災害から生まれたもの 危機的状況下での死、災害遺物、文化遺産への対応」

災害はしばしば「失なわれたもの」という視点からその大きさが測られ、理解されてきた。自然災害や戦争、ジェノサイド、その他の人的カタストロフなどについての研究や公的な声明の中では、犠牲者や避難者の数、何十億もの損害、失われたコミュニティーなどについて言及されるのが常である。しかしそのような表現の仕方が隠ぺいしてしまうものがある。それは、災害の破壊的な力が「新しい」ものや痕跡を後に残し、人間社会がそれに対処しなければならないという事実である。もっとも分かりやすいところでは、災害による死は、死者の遺体や彼らの「霊」、そして遺族を後に残す。また瓦礫の中に残された文書、個人の持ち物、文化遺産を救い出すために諸団体が立ち上がることもあろう。本ワークショップでは災害によって生まれ、残されたものに焦点をあて、いかにそれが救い出されたり廃棄されたりするか、そして何がその二つの運命を分けるのかを検討していく。この「残されたもの」のその後を研究することで、災害とは死と喪失と再建に関係したものだという一般的な仮説を見直し、公衆衛生と幸福と社会の全体性を回復するために必要なレスキューとケアの意義を主張したい。
発表者
エリザベス・アンステット(フランス国立科学研究センター)
「大量死における不完全な身体と遺体の断片の困難な問題」
 
問芝志保(独立行政法人日本学術振興会)
「関東大震災後における葬制・墓制の変容」
 
ボレー・ペンメンレン・セバスチャン(東北大学)
「2011年の日本災害の危機における大量死者の管理」
 
大村哲夫(東北大学)
「子どもの死と卒業証書ー東日本大震災における慰霊と癒しの形―」
 
スハデイ (スナンカリジャガ国立イスラーム大学)
「マリジャンのペティラサン:インドネシア、ジョグジャカルタの災害後の観光動向におけるムラピ火山噴火の精神的遺物」
 
工藤さくら(国立民族学博物館)
「再定住地とその活用をめぐるレジリエンス––ネパール・ゴルカ地震を事例に–」
 
木村敏明(東北大学)
「東日本大震災後における地方自治体の慰霊祭・追悼式」
 
小谷竜介(国立文化財機構文化財防災センター)
「被災した文化遺産を後世に伝える多様な方法」
 
谷山洋三(東北大学)
「東日本大震災によって生まれた臨床宗教師運動」
 
コメンテーター
高倉浩樹 (東北大学)
 

セッション群B: 環境と文化保全

6月27日(日) 13:00-18:00
発表言語:日本語
B3: 「地中レーダによる遺跡調査研究」   
地中レーダ(GPR: Ground Penetrating Radar)は電波を利用して地下埋設物の形状を土を掘ることなく見ることができる計測手法である。我が国では 1985 年頃から導入が始まり、世界的に見ても GPR による遺跡探査が早い時期から活発に行われた。レーダ機器の開発、PC の能力向上によるデータ取得と信号処理、画像化のめざましい進歩により GPR は広く利用されるようになってきた。本セッションではこれまで実施されてきた GPR による遺跡調査の実例と成果を紹介するとともに、新しい計測手法の開発と学術的な発展を展望する。
発表者
吉村作治(東日本国際大学)
「エジプト調査に於けるハイテク技術の活用(1) -大ピラミッドの調査を例に-」
 
黒河内宏昌(東日本国際大学)
「エジプト調査に於けるハイテク技術の活用(2) -第2の太陽の船調査を例に-」
 
ガッド・エル=カディ(エジプト国立天文学・地球物理学研究所)
「文化遺産のGPR調査 -エジプトでの実例- 」
 
城倉正祥(早稲田大学)
「GIS・GPRを用いた遺跡・遺構の非破壊調査 -墳墓・寺院・都城の分析事例を中心に-」
 
ディーン・グッドマン(Geophysical Archaeometry Laboratory)
「GPR による遺跡探査の世界的な動向、信号処理・表示技術」
 
金田明大(奈良文化財研究所)
「我が国におけるGPRによる遺跡探査の可能性と展望」
 
ナワビ矢麻(埼玉県立さきたま史跡の博物館)
「特別史跡・埼玉古墳群における GPR 探査の実践と可能性」
 
東 憲章 (宮崎県埋蔵文化財センター)
「特別史跡西都原古墳群(宮崎県西都市)における GPR 探査の実践」
 
佐藤源之 (東北大学)
「東北大学におけるGPR開発と遺跡調査への応用」
 
*詳細はこちらをクリックしてPDFファイルをご参照下さい。
 

セッション群C: 東北アジアの政治と社会

6月27日(日) 10:00-12:00
発表言語:日本語

C1: 「東北アジアのエネルギーと環境」

東北アジア地域では、エネルギーおよび環境に関わる多くの問題が脅威となっている。まず、化石燃料由来のPM2.5などの大気汚染物質が、呼吸器障害や肺ガンのリスクを高めている。また、水問題として、1)水資源量が少ない地域における過剰な放牧や耕作、2)工場・生活排水の処理率が低いままでの排出総量および水消費量の増大、などの課題を持つ。さらに、廃棄物の山が都市を囲い始めている地域がある一方で、進みつつある廃棄物の焼却は大気汚染を悪化させている。地球温暖化による異常気象、すなわち干害や洪水による被害も拡大している。温暖化問題は、先進国と中国などの途上国との「公平性」をめぐる非難合戦にもなっている。本セッションでは、以上のような東北アジア地域のエネルギーおよび環境問題の現状について確認し、状況を改善するための様々な主体による試みについて、コロナからのグリーンリカバリーについても注目しながら、4人の研究者が発表し、参加者と議論する。
発表者
金振(地球環境戦略研究機関)
「中国における全国ETSの導入状況と戦略的な意義」
 
金丹(東北大学)
「日中韓の鉄鋼産業の地球温暖化対策の現状と課題」
 
大塚健司(日本貿易振興機構アジア経済研究所)
「中国の環境ガバナンス:何が変わったのか」
 
明日香壽川(東北大学)
「日中韓におけるグリーン・リカバリー」
 
セッション群C: 東北アジアの政治と社会
6月27日(日) 13:00-15:00
発表言語:日本語

C2: 「交わる東アジアとアフリカ」 

本セッションでは、地理的にも存在論的にも遠くありつつ近年往来を緊密化させ相互のコミットメントを深めつつあるアジアとアフリカの交わりが何を生み出し、自己と他者をいかに変えつつあるかを議論したい。アフリカにおける中国系の人々は、異郷で暮らす作法については国内移住のそれと大して変えていないが、安価な中国製品がローカルなマーケットを蹂躙した、いや、広範な層に未曾有のコモディティを行き渡らせたと両極に振れる評価によってかたちづくられるホスト社会のまなざしを受けながら、時に壁を築き、時にそれを穿とうとしている。他方、アフリカ系の人々もイスラームも圧倒的に少数派の日本において、移住者たちはしかしある意味での自由を得、自己の存在や信仰に初めて主体的に向き合うスペースを得る。プラグマティズムと感情が不分割に析出される両者の交わりを考えるところから、他者とやっていくために有意な知見を提示できるのではないかと期待する。
発表者
 
川口幸大(東北大学)
「交わる東アジアとアフリカ」
 
小川さやか(立命館大学)
「ギグ・エコノミー化するインフォーマル経済―香港および母国のタンザニア商人を事例に」
 
シ・ゲンギン(立教大学)
「存続と繁栄の秘訣―アフリカにおける中国の模造品販売」
 
艾煜(東北大学)
「日本に暮らすムスリム女性たちの生活と信仰――東北地方の事例から」
 
松本尚之(横浜国立大学)
「戦争の過去、移民としての現在 ―在日イボ人とビアフラ独立運動―」
 
セッション群C: 東北アジアの政治と社会
6月27日(日) 15:30-17:30
発表言語:英語

C3: 「沿岸コミュニティーの社会的持続性:変容と変形」

東北アジア研究センターは東北アジア地域に関する社会科学・人文学・自然科学の学際的研究センターとして設立された。とくに、環境に関する研究に学際的性格が発揮されている。「変容する環境・社会・民族」と題する25周年記念シンポジウムにおいて、このセッションは沿岸コミュニティーにおけるダイナミズムの観点とともに、沿岸コミュニティーが外部のセクターや人々あるいは世界からどのような教訓をえることができるのかを考察する。
   沿岸コミュニティーは、とくに文化を考える際に、全てのコミュニティーと同じ性質を共有している。なんらかの形態のガバナンスが存在し、宗教が信じられ、社会ネットワークと社会資本が人々を繋いでいる。そして人々と環境の相互作用は地方の社会・生態的システムを形作っている。
沿岸コミュニティーはまた、リスクと自然災害に関して、ほかの自然資源を基盤とするコミュニティーとは異なる特有の性格を共有している。それは気候変動や生物分布の変化、乱獲、あるいは津波、台風、高潮などの自然災害である。
   コミュニティーはまた、彼ら自身の地方レベルの機能や将来に影響する外部の出来事やより高いレベルでの意思決定といった、より広い社会的・政治的枠組みの内部に取り込まれている。たとえば日本の東北地域の沿岸コミュニティーは、加齢が進む日本の中で「グレーゾーン」(平均23%に対する32%の高齢化率)であるばかりでなく、家の跡継ぎの減少、高い人口減少を伴っている。一方で彼らはまた進行中の3.11、すなわち2011年東日本大震災とこれに続く津波及び原子力発電所のメルトダウンからの「復興」の過程にある。3.11の影響は依然として感じられ、復興は未だ途上である。
   3.11以後の東北の沿岸(太平洋岸)は、極端な例である。しかしコミュニティーは常に圧力とリスクにさらされている。問題はこのような挑戦と圧力に対して、何が持続性と復元力を強化するのかにある。かかる問題意識から、本セッションでは日本国内外の例を集め、景観と福祉、地元の先住民の知識、漁労・森林運動、女性の役割、そして人口が減少したコミュニティーの変化といったトピックに関わる事例を提示する。その目的は、これらの事例を検討することを通じて、重要な「学びとられた教訓」を見出し、沿岸コミュニティーの持続的な変化と変容の道を示す方法を議論することである。
座 長
デレーニ・アリーン (東北大学)
発表者
ジェシカ・ブラック(グウィチン・ネーション、アラスカ大学フェアバンクス校)
コートニー・カロタース(アラスカ大学フェアバンクス校)
「アラスカにおける漁労の科学とガバナンスの非植民地化と現地化」
 
三木奈都子(国立研究開発法人水産研究・教育機構)
「沿岸コミュニティの持続性と地域活動」
 
ジョン・モック(テンプル大学)
「山岳コミュニティー:変容と持続性」
 
岩崎慎平(福岡女子大学)
「日本の漁業者による森里海連環の構築と持続可能性」