

客家研究の総括と展望

客家(ハッカ)は中国南部を中心に居住する漢族のサブグループのひとつであり、漢語客家方言をはじめとする独自の文化要素を有し、しばしば広東人、福?などの他の漢族内サブグループとは別系であるとの強い自己意識をともなう。この客家に関する人類学的・民族学的研究は、その初期においては客家出身の知識人層を担い手として、中原を発祥の地とする強烈な正統漢族意識を中心に展開されてきたが、近年ではそうした過去の学術的客家イメージの仮構性の批判的再検討や、ショオ族等の中国南部の非漢族との歴史的、文化的連続性を実証しようとする研究も多く行われるようになった。また、最近の国内経済の活性化や伝統文化の再評価の趨勢にともない、世界文化遺産登録や各地の民俗文化観光開発などと連動して、今日では客家の文化や歴史に対して新たな意味づけがなされつつあるようにも見える。本共同研究では、客家研究のこれまで研究史の総括と今後の展望について討論し、学術図書として出版することを目指す。

平成22年度〜平成23年度

氏名 | 所属 | 氏名 | 所属 |
瀬川 昌久 | 東北アジア研究センター・教授 | 蔡 文高 | 神奈川大学常民文化研究所・共同研究員 |
飯島 典子 | 広島市立大学国際学部・准教授 | 小林 宏至 | 首都大学東京人文学研究科・博士課程 |
河合 洋尚 | 中山大学社会学人類学学院・講師 |

外部出版社から成果論文集を学術図書として出版公開する。
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