

大籠村首藤家文書の調査研究

本研究は、大籠村(現岩手県藤沢町)首藤家に所蔵される歴史資料について、調査・整理を実施し、同地域に関連した鉄山経営やキリシタン統制について調査・研究をおこなうものである。大籠村は戦国期に葛西氏の所領であり、葛西氏の滅亡後に仙台藩領となった。同地域には葛西氏統治時代から製鉄業が営まれたと伝えられている。この大籠村の製鉄は伊達政宗の朝鮮出兵の際の軍用鉄、岩出山、仙台における御用鉄として利用されたと考えられている。また、製鉄業とともに大籠村にはキリシタン信仰がもたらされ、近世初頭には三万人の信者数を数えたが、後に仙台藩のキリシタン弾圧をうけることになる。現在でも同地域にはキリシタン弾圧の伝承や史蹟が数多く残っている。本研究では、まず未整理の状態にあった首藤家所蔵資料に対し、資料の整理保全作業、デジタルカメラによる撮影作業を実施することで同資料群を研究に活用できる状態にする。そのうえで大籠村における仙台藩のキリシタン政策や鉄山経営、地方行政の在り方についての分析を進める。

平成22年度〜平成23年度

氏名 | 所属 | 氏名 | 所属 |
平川 新 | 東北アジア研究センター・教授 | 佐藤 大介 | 東北アジア研究センター・助教 |
大島 晃一 | 一関市博物館副館長 | 蝦名 裕一 | 東北アジア研究センター・教育研究支援者 |
相馬 美貴子 | 一関市博物館 主任学芸員 | 天野 真志 | 東北アジア研究センター・教育研究支援者 |

撮影した画像データは公開し、研究成果は逐次学会誌等に発表する。
![]() |