

新疆、満州をめぐる20世紀前半のソ連、中国の政策

本共同研究は、平成24年度に発足したプロジェクトユニット「20世紀ロシア・中国史再考」研究ユニットと連動した研究企画である。
平成24年度には「新疆」に焦点をあてて、ソ連、中華民国双方のこの地域に対する政策を考察し、その成果は2013年3月23-24日にロシア連邦ノヴォシビルスク市で開催した日露歴史セミナーで発表した。現在、セミナーの発表成果の刊行に向けて準備を進めているところである。
2012年度に引き続き新疆に関する研究期間を延長して叢書の出版を実現すること、それに加えて本年度は同じくソ連と中国の二大国が隣接する重要な地域である満州(中国東北部)にも研究範囲を拡大することとした。20世紀前半に焦点を絞るが、この時期は日本による植民地国家『満州国』の形成と崩壊の時期と重なり、新疆に比べて日本ファクターは格段に増大する。本研究では、日本と対峙するソ連、中国の満州政策のみならず日ソ関係、日中関係、中ソ関係にも配慮しつつ、満州をめぐる中露日その他の諸国における史料収集、分析を進め、最終的にはセンター経費による叢書の刊行をめざす。
本共同研究は、上記プロジェクトユニットの活動をさらに充実させるべく、前年度に資金的に実現できなかった国内での新疆問題に関するセミナーを最初に開催し、この分野の専門家を招いて相互に意見や情報を交換して叢書の内容の質的向上をはかる。その作業の後、満州についての研究を進めることとする。

2013年度~2015年度

氏名 | 所属 |
寺山 恭輔 | 東北アジア研究センター |
上野 稔弘 | 東北アジア研究センター |
巽 由樹子 | 東北アジア研究センター |

センター叢書『スターリン、蒋介石と中国新疆』の刊行
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