モンゴルとカザフにおけるモノの域外流通と域内流通
本研究の目的は、東北アジア地域の牧畜社会に関わるモノの移動に着眼し、とくにモノの域外流通と域内流通それぞれのあり方の分析とそれらの対照により、東北アジア地域の牧畜社会の特徴を議論するものである。研究方法としては、歴史学と人類学の共同作業により18〜21世紀を扱い、地域はモンゴルとカザフ(中国・モンゴル国・カザフスタン・ロシア)をカバーする。具体的には、2月に貴センターにおいて公開シンポジウム開催・研究情報の交換・資料収集をおこなう。
私たちはこれまでに、「畜産物の流通にみるモンゴル高原のグローバリゼーション」というテーマで共同研究を進めてきた。その中で課題となった「畜産物の域外流通のあり方」について、これを現地の人びとの生活実態やローカルな自然・社会環境と関連づけながら解明したい。域外流通を特徴づけるために、牧畜社会内部におけるモノの流通についても記述、分析する。そして、各時代・地域の特徴とその背景および、時代・地域を越えた共通点を検討する。
従来の研究は、内陸アジア牧畜社会における生産のモードを分析するにあたり、「生存経済モード」と「生産中心・専門家モード」という2つの「極」概念を設定している[Sneath 1999:225−226]。物流との関係では、「生存経済モード」は域内経済、「生産中心・専門家モード」は域外経済と強く結びつくと考えられる。本研究により期待される成果として、物流と生産モードとの関係、域外流通と域外流通の関係、その地域・時代による特徴、を解明できるだろう。
2015年度~2015年度
氏名 | 所属 |
風戸 真理 | 北星学園大学短期大学部 |
高倉 浩樹 | 東北アジア研究センター |
尾崎 孝宏 | 鹿児島大学法文学部 |
塩谷 哲史 | 筑波大学人文社会系 |
冨田 敬大 | 立命館大学立命館グローバル・イノベーション研究機構 |
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