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国石 翡翠(ひすい)の論文集
~日本の国石の学術的価値を海外へ発信~

【概要】
 国立大学法人東北大学東北アジア研究センター(兼務 同大学院理学研究科地学専攻)の辻森樹教授、糸魚川市フォッサマグナミュージアム宮島宏前副館長、独立行政法人国立科学博物館の宮脇律郎地学研究部長は、2016年9月に日本鉱物科学会が日本の国石に選定した「翡翠(ひすい)」についての学術論文集を編集し、同学会英文雑誌第112巻5号に特集号‘Jadeite and Jadeitite’として発刊します。
これまでに、翡翠(注1)に関する鉱物学的・地質学的な研究論文を集めた学術論文集は、2012年の欧州鉱物学会誌European Journal of Mineralogy 第24巻2号がありました。今回の本論文集は、日本人研究者による日本産翡翠の研究成果を主体とし、日本の国石として選ばれた翡翠の学術的な価値を日本から海外に向けて発信するものです。
 本論文集に収録の論文は、日本鉱物科学会の112巻5号冊子体の印刷に先立ち、同雑誌電子版に掲載されました。

【詳しい説明】
 2016年に一般社団法人日本鉱物科学会(会長:土山明、事務局:仙台市青葉区荒巻字青葉6-3 東北大学理学部内)が日本の国石として 「翡翠(ひすい)」を選定しました。これを受けて、同学会では英文誌に翡翠に関しての特集号を企画し、国立大学法人東北大学東北アジア研究センター辻森樹教授、糸魚川市フォッサマグナミュージアム宮島宏前副館長、独立行政法人国立科学博物館の宮脇律郎地学研究部長をゲスト編集者として、招待2編、寄稿4編、一般投稿4編の翡翠(またはひすい輝石(注2))に関する論文10編に序文を加えて発刊します。
 今から約80年前、東北帝国大学助手(当時)の河野義礼博士が新潟県糸魚川産の翡翠を同定し、1939年に日本鉱物科学会の前身の一つ、日本岩石鉱物鉱床学会の和文誌に化学分析による論文を報告しました。糸魚川に翡翠原石が産することが明らかになってから、複数の翡翠産地が国内で発見されてきました。翡翠を構成するひすい輝石と呼ばれる高圧下で安定な輝石の一種を含む岩石(変成岩)の産地も複数確認されています。それらの岩石はプレートが狭まる境界の地学現象を理解する上で大変貴重な岩石と言えます。
 同論文集に収録の論文は、翡翠の成因、日本産の翡翠の特徴、世界の翡翠との比較、日本の翡翠の研究史をまとめた総論の他、天体衝突などの大きな衝撃によって隕石中に部分的に形成した地球外のひすい輝石に関する総論など、内容も多岐におよびます。これは日本の国石として選ばれた翡翠の学術的な価値を日本から海外に向けて発信するものです。

【用語の説明】
(注1) 翡翠
 ひすい輝石という鉱物から構成される堅牢緻密な「ひすい輝石岩」のうち、宝石質のもの。「ひすい輝石岩」はミャンマーやグアテマラなど世界の19産地が知られています。日本にも複数の産地(新潟県糸魚川、兵庫県大屋、鳥取県若桜、岡山県大佐山、長崎県西彼杵)が存在します。国産の美しい「石」でかつ、世界的な重要性などから、2016年に一般社団法人日本鉱物科学会が日本の国石に選定しました。

(注2) ひすい輝石
  高圧下で安定な輝石の一種。密度が約3.3g/cm3とナトリウムとアルミニウムのケイ酸塩鉱物としては比較的大きく、一般に日本列島のような海洋プレートが地球深部へ沈み込んでいく構造場で形成します。高圧変成帯を特徴付ける造岩鉱物です。

【論文情報】
タイトル:Gem sparkles deep: Preface of the special issue on ‘Jadeite and jadeitite’
著者名:Tatsuki Tsujimori1,2, Hiroshi Miyajima3, and Ritsuro Miyawaki4
所属:1.国立大学法人東北大学東北アジア研究センター、2.国立大学法人東北大学理学研究科、3.糸魚川市フォッサマグナミュージアム、4.独立行政法人国立科学博物館
DOI: 10.2465/jmps.171006

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