減災をめざした電波科学研究ユニット
2013年度~2015年度(3年間)
氏名 | 組織 |
佐藤 源之 | 東北アジア研究センター教授 |
高橋 一徳 | 東北アジア研究センター助教 |
駒木野 智寛 | 東北アジア研究センター助手 |
クリスチャン・コヤマ | 東北アジア研究センター産学官連携研究員 |
劉 海 | 東北アジア研究センター産学官連携研究員 |
2013年度佐藤 源之はNICT受託研究、科研費基盤(A)の外部資金で研究活動を予定している。両プロジェクトはいずれも減災をめざした電波科学研究に関するものである。東日本大震災に伴う住宅の高台移転に際し、今後5年間に緊急を要する多数の遺跡調査が見込まれるなど、効率的な遺跡調査を行うための新技術が社会的に強く必要とされる。本プロジェクト研究ユニットでは地中レーダーなどの先端的な地下計測手法を利用した遺跡調査技術の開発と、地方自治体の遺跡探査への実践的な技術協力、技術指導による文化財保護の実践をめざす。
住宅や道路開発に伴う遺跡調査は国内で年間1万件にのぼる。文化庁は、従来の発掘調査に加え、地中レーダーなど非開削手法の導入による調査の効率化を進めている。奈良文化財研究所は地方自治体文化財担当者に対して、こうした技術導入の指導を行っているが、本事業では東北地方に位置し、20年以上地中レーダー技術の開発に係わってきた東北アジア研究センターと共同で、探査技術を実践的に指導まで行える拠点を設けるための準備を行い、より効率的に実地指導にあたると共に、新たな探査手法の開発を行い、文化財保護に寄与することを目的とする。
大規模な調査を短時間行う手法として東北大学災害科学国際研究所特別プロジェクト経費(800万円)の支援を受け、我々は2013年2月に大型の遺跡探査用アレイ型地中レーダーを完成させ、東松島町、名取市、山元町で震災復興に関連する遺跡ならびに地下調査の依頼を受けている。2013年度以降、数年間は、我々の研究成果を利用した現場計測とそれに伴う教育、研究活動を活発化させる見込みである。
国内では使用実績の乏しいアレイ型GPR装置を新たに導入することで効率的な計測が実現できることを実証し、大規模遺跡調査技術と東北大学が開発した高精度調査3DGPR技術の組合わせを東北地域全体に普及させる。また東北大学内の埋蔵文化財調査に係わる埋蔵文化財調査室などとも連携をとり、センター外部に開かれた活動を展開する。 こうした技術は東北アジア地域における大規模自然災害に対しても利用可能であり、ロシア、中国、韓国の研究者との交流も推進する。
野蒜築港での遺跡調査 |
山元町高台移転予定地(合戦原古墳)での遺跡調査 |
震災復興のための地中レーダによる遺跡探査推進(2013-2015)
減災をめざした電波科学研究ユニット
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